vendredi, le 29 avril, 2005

サヴィニャック展

 実は関西に来てから、大阪でサヴィニャック展があることを知った。開催は4月29日からで、それは私の旅行の最終日だ。せっかくのチャンスなので、帰りの予定を変更して、見に行くことに決めた。
 グラフィックデザインで、このような大規模な展示というのは、めったに見られる機会が無い。しかもフランスを代表するポスター作家とあっては、見なければきっと後悔するだろう。
 京都を早々に後にして、サントリーミュージアムのある大阪港へ。デザイナーの友人も付き合ってくれた。本当にありがたい。

 展覧会では、サヴィニャックの長い作家としての人生を辿って見ることが出来た。今まで何気なく見ていたポスターの背景を知ることが出来て面白い。ペリエのポスターで有名な、VILLEMOTと活動を共にしていた時代もあったとは。
 ポスターなので、作品はリトグラフやオフセットの印刷になるのだが、サヴィニャックが構想を練った原案は、手書きの跡が見られる。シンプルで明快な作風だが、余分な要素を出来るだけそぎ落として、何度も何度も校正を重ねた末のシンプルであるということが分かる。

 作品に対する職人技ともいえる姿勢、そして不遇の時代にも自ら企画を持ち込んで作品を作り続ける情熱。努力なくしてはこれだけの立派な作品は残せないのだ。
 先程進々堂で触れた、黒田辰秋の作品を思い出す。何年もの時間をかけて、気の遠くなるような作業をくり返す。サヴィニャックはパリで、黒田辰秋は京都で、二人ともベレー帽で。

 ミュージアムショップでは、サヴィニャックのプリントや、ボールペンのBICのキャラクターグッズなどが並んでいた。グリーンとイエローの2色の図録は読みごたえがあり、洋書の「Savignac de A a Z」の邦訳もついている。またフランスのポスター関連のグッズやポストカードの類も取り扱っており、女の子のイラストがかわいい、Lefor-Openoのポストカードを買った。この女の子は、どれも左目の下にホクロがあり、同じ子だと気が付く。

 大阪駅。GW初日にしては込みあう様子もなく、余裕で席に着いた。この4日間で食べることが無かったたこ焼きと、研究中のミルクレープを車内で食べる。くいだおれの旅、終了。    
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