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2003/5/20 (TUE)

27時間の大移動
 ついに来てしまいました。今、フランスへ向かう飛行機の中にいます。とは言っても、普通こんな時、ドラマの中ではパリ行きの飛行機に乗って颯爽と旅立つのですが、私が乗っているのはマレーシア乗り継ぎ便。コタキナバル、クアラルンプールを経由して、飛行時間は22時間、おまけに待ち時間もタップリという、とても気の遠くなるような大移動です。そしてパリに到着したらTGVの切符を取って、南仏までの5時間の移動もしなくてはなりません。日本では大学のあった金沢から東京まで、せいぜい夜行列車やバスで7時間の旅をしていたぐらいですから、今回ほどの長旅は自分でも未体験の領域です。しかもご時世はSARSが流行して、世界中がピリピリしている状況。飛行機に乗っている間じゅう、うつりませんように!、物を取られませんように!、エコノミー症候群になりませんように!、ちゃんとTGVに乗れますように! と、緊張しっぱなしで過ごしていました。

 フランスのワーキングホリデーのヴィザを取るために、一番手こずったのが、この航空券の手配でした。ヴィザ申請の許可がおりてから、実際に取得するまでのあいだに、1年オープンのチケット(もしくは片道のチケットプラス帰りの旅費を証明する残高証明書)、海外旅行保険証書、医師の健康診断証などなど、たくさんの書類を提出しなければなりません。当初の計画では、初めにパリ行きの直行便に乗って、おまけにヨーロッパ圏内の2〜3フライトも付けてイタリアやドイツへも移動しようと考えていたのですが、そのようなチケットは復路が3カ月以内のフライトのみで、1年オープンのチケットでは、アジアを経由するものしか無いのだそうです。さらに手配を進めているあいだにSARSが席巻し、航空会社の方からのフライトキャンセルで、何度もチケットを買い替える羽目になり、ヴィザ申請の期限ギリギリになってようやくこの22時間のフライトを手に入れることができたのです。

 手配はすべてインターネット。出発までの3カ月のあいだ、会社を辞め、東京を離れて、ホテルで寮住まいしながらアルバイトをしていましたので、アルバイトの合間を見つけては、携帯電話やメールでやりとりするのもなかなか手間取りました。航空券のみならず、海外旅行保険の手配も、フランスでのホームステイ先を見つけるのも、イタリアの料理学校の手続きも、すべてインターネットを通して申し込んだものです。良く聞かれるのですが、私の場合は、騙されるかもしれないという不安は全くありませんでした。メールを通して細かな質問に丁寧に答えて下さいましたし、何よりも業者に任せるのに比べて経済的です。

 さて、私の初めての大移動ですが、飛行機に乗ってしまえばもう腹をくくるしかありません。機内食を食べたり、ゲームをしたりして過ごしているうちに、着々と飛行機は移動し、さほどの疲れもなく無事パリに到着しました。SARSについてですが、立ち寄ったコタキナバルの空港で、体温検査の軽いチェックがあった程度で、成田でもパリでも全くチェックされるようなことはありませんでした。機内でもマスクを付けている人はまばらで、恐れていたのとは大違い。もちろん発熱その他の症状は無く、何事もありませんでした。それからのパリから南仏へのTGVでの移動は、ダブルブッキングのトラブルもありましたが、なんとかステイ先の最寄り駅まで辿り着くことが出来ました。

 これからお世話になるご家庭は、南仏で日仏カップルで結婚されているご夫婦のお住まいです。ホームステイのことについては、また日を改めて書きたいと思います。

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