ミストラルのおさんぽ
　昨日は到着してすぐさま、街歩きをしたり、近所のスーパーへ品揃えを偵察に出かけたりしていたので、今日はお昼までぐっすり寝させていただいて、午後から街の散策に出かけました。

　今滞在しているところはイエールという街です。マルセイユとニースの中間にある、海と山に囲まれた、とても美しいところです。あいにく昨日も今日も激しい地中海の風・ミストラルに見舞われ、雲ひとつ無い青空にもかかわらず、意外と寒さを感じます。

　1時間ほどお散歩をして、公園のベンチで休んでいると、隣におばあさんがやってきました。私は日本から来たばかりなのだということを話すと、「あら、せっかくいらした早々からこんなお天気じゃ、ツイてないわねぇ。確かに晴れてはいるけど、こんなに風が強いんじゃ、ここではいい天気とは言わないわ、とにかく、素晴らしい旅を続けて下さいね。」

　このおばあさんに限らず、道行く人と目が合えば「ボンジュール」と挨拶を交わすこともしばしばで、温かい優しさに包まれた街という印象を受けました。

　はじめは緊張していましたが、列車やバスに乗ったり、お話をしたり、買い物をしたり、公園でのんびりしたり…、当たり前のことをひとつひとつ経験することがとても新鮮で、自分自身が徐々に解き放たれていくのを感じます。ここに来るまでは迷いも不安もありましたが、とにかく来て良かったなと感じています。

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