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2003/5/22 (THU)

サントロペ・ブルース
 サントロペ。
 みんながはしゃぎ、気狂いになるサントロペ。
 かつて南仏のサン=ジェルマン=デ=プレと言われたサントロペは、マリー・ラフォレが唄った「サントロペ・ブルース」の歌詞そのままに、私にとって特別に憧れていた場所でした。

 例えば、東京のフレンチレストランで。「フランスに行くの? どこ? サントロペ?! 超定番の観光地じゃない」と、フランス人のギャルソンに馬鹿にされたり。
 また南仏出身のフランス人の男の子には、「それはタエコのスタイルだよな。ま、悪くないとこだよ」と、会って間もないうちに、私のフランスかぶれぶりを見破られたりしておりました。
 でもみんなに笑われても、この目で見て、感じないことには気が済みませんから、フランスに来てどこよりも真っ先に訪れたわけです。

 イエールからバスに乗って1時間半。きのうまでのミストラルも治まって、お天気は最高。今日はとにかく、お上りさん気分で、町や港を歩いたり、美しい景色を眺めたりして、ただただサン・トロペの空気を体いっぱいに感じていました。
 「サントロペ大混戦」の中でビビ・グラが「これがパパの船よ」とはしゃいでいた港。ベベがズロースをブラウス代わりに着て歩いた砂浜、マリー・ラフォレが唄っていたカフェ…。そしてランチはもちろん、赤いテラスの有名カフェ「セネキエ」で。

 日本のガイドブックには、サントロペの町なかの事は詳しく書かれていませんでしたが、細く行き渡った小径の中にかわいらしいブティックが連なって、カフェやレストランも町中に溢れていて、バカンスには退屈しない町なのですね。高くて今どきのお洋服もありましたし、何よりもマリンルックを始めとする、リゾートファッションのお店がたくさんあったのが楽しかったです。そして謎のサントロペ・グッズのお店。アイラブ・サントロペなどと刺繍されたTシャツ類が並んでいて、思わず買ってしまいそうになりましたが、「待てよ、これを日本に例えるなら、でっかく漢字で“湘南”って書いてあるようなものかしら」と考えて思いとどまりました。

 夕方になるに連れて、港のまわりにはヨーロッパじゅうから観光に来た人々でにぎわい、まさに「サントロペ・ブルース」の歌詞そのものだと感じながら、港の椅子に腰掛けて、夕暮れどきをすれ違う人を眺めていました。

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