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2003/6/15(SUN)
写真は1〜3がヴェニス本土、4〜5はムラーノ島です。
「大運河」、そして「スローガン」のヴェニス
 映画でヴェニスといえば、昨日の「ヴェニスに死す」もそうですが、私にとっては、ヌーヴェルヴァーグの映画に初めてジャズが登場した、ロジェ・ヴァディム監督の「大運河」。モダン・ジャズ・カルテットの軽やかなテーマソングが思い浮かびます。そして67年にジェーン・バーキンとセルジュ・ゲンスブールが共演した「スローガン」。映画の中でバーキンは、煮え切らないセルジュを捨て、若いゴンドラ男に乗り換えていましたが、実生活では二人が出会って恋に落ちた、ポップでロマンチックな映画です。
 きょうはそんな映画のシーンを思い浮かべながら、ヴェニス本土をぐるっと1周歩いてみました。朝早い時間のヴェニスは、まだ人もまばらで、街をひとり占めにしているような気分です。帰りはヴェニスの外側を通る船に乗って、街全体を眺めました。
 そして午後にはヴェネツィアン・グラスの街「ムラーノ島」に行きました。ここは13世紀に政府の命でガラス職人が移住させられて以来、ガラス工芸の街として栄えてきたそうです。
 ヴェネツィアン・グラスの精巧さと、意匠の斬新さには目を奪われます。特にガラスビーズに関して言うならば「きんたろう飴」がもっともっと細かくなったような感じとでも言いましょうか。その「きんたろう飴製法」で肖像画がつくれてしまうくらい、細部まで丁寧に色分けされています。また島の美術館には、1世紀から現代までのガラス製品が展示されています。2000年もむかしから、ガラス製のリングやブレスレットを身に付けていたのですね。また近世で使われたガラス茶器も、繊細な絵付けが施されていて、とても素晴らしい意匠でした。
 運河沿いのピッツエリアでランチを取って、2日間のヴェニス旅行をたっぷり満喫したあとは、フィレンツェで軽くお買い物。家に帰ったらパオラが真っ先に部屋に降りてきました。週末ひとりでベニスに行って、夕方遅く帰ってきたので、とても心配していたようです。私はそんな心配をよそに、なかなかの余裕っぷり。はじめは列車に乗るのも緊張していたのに、イタリアに来て2週間が経ってだいぶ慣れてきました。日本と変わりなく、普通に生活しています。

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