|
高級リゾートポジターノ、世界遺産ポンペイ
ナポリからソレントまでは、ナポリ湾沿いに私鉄が走っています。海を見渡しながら、各駅停車での〜んびりと進んでいく、いわば、イタリア版・江ノ電といった趣でしょうか。車内は水着そのままの地元の子供や、ラジカセを持ち込んで騒いでいる若者など、夏休みムードでいっぱい。こんなローカルな路線のど真ん中に、あの世界遺産ポンペイがあるのだから、イタリアってば面白い。駅だってこじんまりと静かに佇んでいます。
終点のソレントから(もしくはその前のMetaかSt. Agnelloで下車)アマルフィ海岸行きのバスに乗って30分ほど行ったところに、ポジターノというロマンティックなリゾート地があります。このバスもなかなかエキサイティングで、海岸沿いの崖道を、見えない対向車に向かってクラクションを鳴らしながら、くねくねと進んでいきます。バスから見える海の眺めは絶景。雄大な自然を感じます。
山の上の教会のところでバスを降りて、ビーチのある中心街まで一本道を下ることにしました。一本道とはいえども、あっちに行ったりこっちに行ったり、時にはバックしながらのくねくね道。道と道との谷間にはカラフルなホテルが並んでいて、少し下るごとに景色が変わっていきます。ビーチに続くムリーニ通りに着くと、幅2メートルほどの細い小径に、かわいいお土産屋さんやレストランが所狭しと並んでいます。リゾートにぴったりのワンピースや、お花をあしらった麦わら帽子など、ポジターノならではのモードのお店も。
ポンペイは、紀元79年に起こった火山の大噴火で埋もれていた古代都市が蘇ったところ。大浴場や神殿、運動場や劇場などの形がそのまま残されて、2000年ほどむかしのポンペイの人たちは、意外といい暮らしをしていたことが分かります。繁華街とみられる通りには、細かく区切られた壁が遠くまで続いており、中に残された遺物の跡から、洗濯屋さんや居酒屋と断定されている区画もあります。繁華街から少し外れた区画のあたりには、内部に大きな庭や壁画が残されている屋敷もありました。わたしは街を歩きながら、はるか昔の人たちが住んだ街のようすを思い描いていました。きっと商業が盛んでたくさんの人が賑わい、王による統括で治められていたのでしょう。周辺の景色とともに、素晴らしい遺跡でした。
← Back to index
|
|