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2003/7/16(WED)
ジュアン・レ・パン・ジャズフェスティバル
 アンテェーブの街を訪ねました。ここは海に面したお城の中に、ピカソの美術館があることで知られている、芸術の街。アンティーブを愛してこの地に住んだ芸術家も多いのだそう。きょうはそのなかのひとり、レイモン・ペイネの美術館(写真5)に行ってきました。ペイネはパリ出身ですが、家族とともにアンティーブに移り住み、つい数年前にこの地で亡くなりました。
 館内は60年代に発売されたペイネ人形や、ぺイネが手がけた新聞の版下、「ペイネの世界旅行」のイラストなどが飾られた、愛らしいペイネ・ワールド。ペイネの作品の多くは、スーツを着た男の子と、彼に寄り添うふくよかな女の子が描かれていますが、これは当時ナチスに支配されていたフランス人にとって、ひとときの温かさを与えてくれる愛と平和のシンボルだったそうです。また館内の半分ほどはロジェ・モフレイという挿し絵画家の企画展が行われていて、60年代に活躍した他の挿絵画家たちの展示もありました。わたしが美術館でいちばん好きだった作品は、「ペイネの世界旅行・ナポリ編」。高いビルのすき間に、洗濯物がいーっぱい。わたしが見たナポリがそのままユーモアたっぷりに描かれていて、とても楽しい作品でした。

 夜はみんなで、アンティーブのすぐ隣にある、ジュアン・レ・パンに行きました。ジュアン・レ・パンは特別な街。夜になると明け方の3時から4時まで若者たちでにぎわう、いわば渋谷のようなところです。レストランやパブはもちろんのこと、若者向けのブティックも夜中まで営業していて、海沿いにはかわいらしいアクセサリーの屋台が1キロ先まで続いています。
 そしてここジュアン・レ・パンでは、毎年夏になるとジャズ・フェスティバルが開催されます。60年代から続いている大きなフェスティバルで、1週間にわたって豪華なミュージシャンが競演します。きょうの目玉はハービー・ハンコックとボビー・ハッチャーソンのカルテット。わたしたちは中には入りませんでしたが、ビーチに面した特等席で、海を眺めながら演奏に聞き入っていました。夜の海で泳いだあと、まだまだ眠らない街を後にして、カンヌに帰りました。

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