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2003/8/12(TUE)
●写真1:ユースホステルのカフェで。オランダ人の女の子と一緒に、会話レッスン。


●アンネ・フランクの家(写真2)www.annefrank.nl
写真のいちばん左の建物が、実際に彼女が住んでいた家。右の二つの建物は、ミュージアムになっている。


●写真3〜4:シンゲルの花市


●王立美術館
www.rijksmuseum.nl
この王立美術館と、東京駅のモデルにもなったアムステルダム中央駅は、同じ建築家の手によるもの。
アムステルダムの自由の精神を実感
 きょうはアムステルダムの街を、日本人の女の子3人で歩きました。ここで出会う前はお互いのことを全く知らなかったのですが、私たちがどうやって知りあったのかというと…

 最初の彼女に会ったのは、一昨日の夜。街のインターネットカフェで、彼女から声をかけられました。彼女は9月から2年間の予定で音楽学校に留学するため、1週間前にユトレヒトに来たのだそう。言葉も通じず、誰も頼れる人のいない街で、ひとりで手続きやアパートの準備をしていて、とても疲れているようでした。あいにく私は1晩で街を去る予定でしたが、その日は一緒に夕飯を食べ、次の日はアムステルダムに一緒に泊まろうということになりました。
 そして昨日、私たちがアムステルダム中央駅に着いたときに出会ったのが次の彼女。観光客でごった返している案内所で、ホテルを探しに来ていました。ならば、私たちと一緒に泊まろうということで、3人揃ってホテルに行き、一緒に観光することにしました。

 私たちは3人ともアムステルダムは初めて。まずは「アンネ・フランクの家」に向かいました。アムステルダムの中心街からほど近い運河沿いに、彼女が身を潜めていた家が、今もなお、そのままの姿で残されていました。
 アンネの一家は、ドイツのフランクフルトで暮らしていましたが、ナチスのユダヤ人迫害により、オランダのアムステルダムに移住してきました。それでもナチスが彼らの居場所を突き止めてきたため、一家はオランダが解放される直前までの2年間、一歩も外に出ることなく身を潜めていたのです。
 4階建ての建物は「表の家」と「裏の家」の2棟から成っており、表側がアンネの父親が経営していた会社、裏側の3〜4階の部分が、アンネの家族たちが住んでいた部屋です。2つの建物を結ぶ、回転する本棚のドア、アンネが自分で貼ったポートレートがいっぱいの部屋、実物のアンネの日記、最後に生き残った父親が書いた手紙…。それぞれの部屋には、アンネの日記から抜粋した文章が展示されていて、部屋を進むごとに、その物語も緊迫した状況になっていきます。60年前にナチスが行った迫害の悲惨さを、実物に触れて痛々しく感じました。
 わたしたちは朝一番に行ったので、さほど待つことはありませんでしたが、家の前には、入館を待つ人の行列が、一日じゅう続いていました。でもアムステルダムに来たならば、必ず見ておくべき場所だと思います。学校で勉強して知識としては知っていても、実物を見る方がずっと心に残るでしょう。それほどに人の心を打つ家でした。

 それからは運河沿いで行われている、球根がいっぱいの花市や、王立美術館などを見学しました。ヨーロッパの歴史は、文化の歴史でもあるけれど、戦争の歴史とも言えるのではないでしょうか。どの美術館に行っても、絵画の半数以上は、戦争や宗教を扱ったものなので、ちょっと悲しい気分になってしまいます。やはり皆が名画とたたえているものは、そういった類のものとは違った、明るい気持ちにさせてくれるものだと思います。ただひとつ面白かったのが、江戸時代に日本とオランダが貿易をしていた当時の絵画。浦賀の街でガイジンが観光をしているようすの浮世絵が、数点残されていました。日本とのつながりが感じられて、少し嬉しかったです。
 街の中心部を歩くと、見るからにいかがわしいショップがたくさんあります。普通の観光みやげのお店や雑貨屋さんに入っても、あやしげなセクシーグッズも一緒になって売られています。また「コーヒーショップ」と書いてあるお店は、一見カフェのようですが、ここはマリファナを楽しむところ。それにゲイやレズビアンのためのお店、セクシーな衣装のお店、客引きをしている女性に、逆にその女性を品定めしている男性軍…。

 一日街を歩いてみて、アムステルダムは何でも受け入れOKの、自由で大らかな街だと感じました。男同士、女同士で結婚するのもOK。マリファナもOK。鎖国中の日本とだって付き合ってくれたし、行き場の無かったユダヤ人だって受け入れてくれた。その精神がアムステルダムの独自の魅力を作り出しているのだと思います。このことを身をもって感じることが出来て、また新しいお友達も出来て、旅の良さを実感したのでした。

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