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2003/8/29(FRI)
●DISCO PUCES
www.disco-puces.com
パリ、或るレコード屋さんの一日
 開店と同時に、バスチーユ近くのボーマルシェ通りにあるレコード屋さんに駆けつけました。どうやらココは日本人にはお馴染みのお店らしく、ショップカードには日本語で「日本では手に入らない、珍しいレコード」と書いてあります。
 店主のギィさんは、とても気さくな方。まだシャッターを開ける前に来てしまったのですが、奥の扉から中に通して下さり、たくさんのレコードを聞かせてくれて、倉庫にも案内して下さいました。商売である前に、レコードが大好きなのでしょう。昔のレコードプレイヤー(これはTEPPAZというコレクターズ・アイテムで、60年代のアイドルは、このプレーヤーを一緒に写真に映っているのが定番なのだとか)やテレビなどのコレクションも実演して見せてもらいました。そして「これは知ってるか?」と言いながら、アンリ・サルヴァドールが歌う「スクスク」というラテン・ソング(これは日本でも「娘さんはスクスク伸びる」という歌詞でカヴァーされている)や、ゲンスブール&バーキンの「ジュ・テーム」のパロディソングなど、楽しいレコードを聞かせてくれて、あっという間に時間は過ぎていきました。

 午後になると、近所で別のレコード店を経営しているマブ達のピエールさんもやってきて、レコードを聴きながら、酒盛りがはじまりました。わたしにも飲み物をご馳走して下さり、なんだか楽しく盛り上がってしまったのでした。
 「ミスター・カジノは知ってるか? 彼はパリではとても有名なんだよ。それにゲンスブールの恋人だったバンブーはウチのお客さんなんだ。彼女はとてもいい人なんだよ。そうだ、ブルトゥスは知ってるか?」と言って見せてくれたのが、ブルータスやフィガロなどの日本の雑誌、それに鎌倉のカフェ・ディモンシュのフリーペーパーまで。
 「ウチのお店が日本の雑誌で紹介されたんだ。そうだ M...in FRANCEとBABY POP(いずれも東京にあるフレンチポップのレコード屋さん)は知ってるか? BABY POPもココに来たんだ。彼の連れがこの近所の古着屋でミニスカートをはいていて、とても可愛かったなぁ…」

 結局夕方までこのレコード屋さんで、ほぼ一日居座ってしまった私。「今晩は一緒に…」とのお誘いには、丁重にお断りしましたが、ギィさんは、買う予定だったレコードまでプレゼントしてくださいました。他のレコード屋さんに行く気も失せ(どうせ夏休み中でお休みだった)、ここ1軒でお腹一杯になってしまったのでした。

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