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2003/8/5(TUE)
トルコ人の女の子と一緒に
 いろいろと寄り道をしてしまいましたが、今はまだ「あの胸にもう一度ツアー」(7/31参照)の真っ最中。映画の中で、マリアンヌは目的地ハイデルベルグの少し手前のカールスルーエでバイクを停めて、深夜営業のカフェで一杯のキルシュを飲みます。カールスルーエはただそれだけの場所。何があるのかも分かりませんが、バーデンバーデンよりは都会であろうとの見当をつけて、街歩きとインターネットのために立ち寄るつもりでした。

 ところで、昨日の夜からトルコ人の女の子と一緒に行動しています。昨日の夜、部屋でくつろいでいたら、「私たちこれから夜の街に出て、お茶しに行くんだけど来る?」と誘ってくれました。友達と一緒なのに、いいのかなぁと思っていたら、参加者は彼女と私だけ。「私たち」というのは、彼女の友達のことじゃなくて、彼女と私のことでした。彼女は2週間の予定でオランダ、フランス、ドイツとひとり旅をしていて、このバーデンバーデンが最終地。ひとりでは観光に行けないと言いながら、ホステルをひとりで転々としているのだから、なかなかの度胸の持ち主です。そして昨晩街に出るバスに乗ったときに、24時間有効のグループチケットを買ったので、きょう一日は彼女と運命共同体となってしまったわけです。

 彼女はとてもしっかりものでパワフル。朝食のバイキングの品で、ランチ用のサンドイッチを作り、ミネラルウォーターの空きボトルには、街にあふれている湧き水を詰め、駅では少しでも安いチケット求めて交渉しています。彼女に限った訳ではなく、ヨーロッパの人はこのようにしている人が多いようです。本当のお金持ちと、日本人だけがガバガバとお金を遣っているのではないでしょうか。
 そんな訳で、彼女のおかげで、1回ごとに1.9ユーロ払っていたバス代は、24時間乗り放題でたったの3ユーロになり、カールスルーエまでの交通費だって、正規運賃なら片道4.8ユーロのところが往復で5.25ユーロになり、しかも現地での市電とバスに乗り放題というおまけ付き。言われたままの金額を払うのではなくて、納得いかないと思ったら交渉してみるべきなのですね。

 彼女はバーデンバーデンで気になっていた彫刻の展示会があるそうで、「きょうは朝展示会の場所を調べて、それからカールスルーエに行って、バーデンバーデンに戻ったら展示会を見て、それからプールに行くわよ、タエコ」と、過密スケジュールのお達しを受けました。
 カールスルーエでは庭園のある美術館に行くことになったのですが、彼女の用事で本屋やスーパー、郵便局などに立ち寄ったため、すっかり遅くなってしまいました。「あ〜、展示会に間に合わないかもしれないわ。私たちって、いつもこうなのよね」
 私たち、じゃなくって、わたしでしょうが! 一人称!「でもすぐに戻れば間に合うわ。20分だけ展示会をみるのはどうかしら?」
 わたしはすっかり疲れてしまいました。わたしって今、彼女に振り回されてる? ここで気の弱い日本人でいてはいけない、きっぱり断るんだっと思い、「わたしは疲れたからホステルに帰るわ。でも展示会へはひとりで行って来なよ」と答えました。「間に合わないなんて考えちゃダメよ。休むのは日本でやればいいのよ。ここでは楽しまなくちゃ」と言われましたが、わたしの疲れた様子を見てか、彼女も展示会はあきらめて、一緒にホステルに帰りました。

 ホステルに隣接しているプールで汗を流して戻ってくると、「タエコ、急いで。最後の夜なんだから、街にお茶をしに行くわよ」と、彼女はまだまだ元気。「先に濡れたものの洗濯をしたいの」と答えると、「洗濯は帰ってからでいいでしょ」と言われてしまい、うぅ〜、またここで気の弱い日本人でいてはいけないと思い、「やだ、今洗濯する」と強引に突っぱねて、それでも夜のお茶は断れずに、きょうも彼女と夜の街に出ました。
 わたしが何処かで立ち止まると、「タエコ、時間が無いんだから、行くわよ」と言われてしまうので、彼女の見たいお店だけを見て、お茶をして、帰ってきました。そして、美しい場所を見つけては、「ここを背景に、わたしの写真を撮ってよ。山と教会が上の方に入って、こんなアングルで」などと指示を受け、「わたしはあなたのモデルなのよ。撮ったらメールで送ってくれるわよね。絶対に忘れないでね」とお願いされました。わたしの気分次第では、送り忘れてしまうかもしれません。
 彼女はきっと私に気を許して甘えてくれていると思うのですが、わたしのとった行動は、意地悪だったかしら? でもきょうは疲れてしまいました。

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