samedi, le 2 novembre, 2002
I'M FULLCOLOR
場所は代官山の古いマンションの一室。隣の部屋も漫画や雑誌を多く扱っている古本屋さんのハズ。まだオープンして数十分しか経っていないのに、お店には既に古本を物色している若い子たちがチラホラ。店内にはJAZZが流れてて、なかなかイイ感じだワ。
スウェーデンをはじめとする北欧の絵本や、お話し付きのレコード、デザイン関係の本など、美しい本はたくさんありましたけど、私が心惹かれてしまったのは、ちょっと古くさーい日本の本たち。昔のハウツー本やエッセイって、ユニークなテーマを追及しているものが多いんですよね。ちょっと高かったけれど、ヨーロッパの迷信博士の本と、秦早穂子さんが翻訳しているファッションブックを買いました。国内の本なら神田の古本まつりに行った方が良かったかな?
比較検討のため、中目黒の「アートバード」も見てきました。すごい本が安く見つかるという評判のお店。ユトレヒトとは全くテイストの異なるセレクトです。ユトレヒト=女の子、アートバード=男の子って感じ。あ、でも最近の男の子って、結構カワイイものが好きだったりするから、一概には言えないかな? アートバードの古本は、エッチなものや、毒のあるものも混じってたりしてて、ロックなイメージと言った方が適切かもしれません。
*色についての意味だとか、由来を知るのが好き。色の名前を見ているだけでも、その裏側のたくさんの物語を想像できるのですよね。
デザイン室で働いている皆の机の中には、たいてい各々の「マイ・チップ」があります。DICやパントーンのカラーチップを切り取って、迷った末に使わなかったものが、色相別に整理して取ってある。信じられないくらいたくさーんの色があっても、なかなかコレっていう1色は選び出せないのです。
むかし、缶のデザインをしているときに、きれいな色を選べなくて上司に相談していると、「フラデンも見たか?」と言われたことがありました。「フラデン???」なんじゃその暗号は?
その答えは、「フランスの伝統色」のこと。カラーチップのスペシャル版。さすがはトリコロールの国、赤や青ひとつとっても、ビミョ〜な色がたくさんあるのですね。私のイメージしていた、クリアーだけど落ち着きのある色も、その中から見つけることが出来ました。かくして私はこの時に、フラデンデビューをキメたのであります。
グラフィック社の「色の小事典」という本には、ヨーロッパの伝統色ついての様々な解説が記されています。例えば「フランス」という名前のブルーはちょっと濃いめ、でも国旗のブルーは「ブルー・フランス」という明るい青。コートダジュールの紺碧色はその中間といった具合。これからは「フラデン」を厳しく使い分けていこうと思います。
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