mercredi, le 30 mars, 2005

フランスとイタリアの地方菓子の本

 フランスやイタリアには、その地方ごとに特色あるお菓子があり、普段の暮らしや地方の産物、宗教行事から生まれたものなど、土地の歴史や伝統と切り離せないもののようです。
 最近立て続けにそのような地方菓子の本が発売されました。私は以下の3冊を買いましたが、三冊三様、アプローチの仕方が異なっていて、興味深かったです。

フランスの地方菓子
 フランス菓子のシェフが書いたお菓子の本。写真に落ち着きがあり、プロセスの写真も細かく掲載されているので、見やすいです。レシピとともに、お菓子の由来が添えられているのが嬉しいです。そこからは日本人にフランスの文化やルーツを伝えたいという、著者の思いが伝わってきます。
 基本の生地やクリームの作り方も解説されていて、基本をマスターすれば、ここで紹介されている様々な地方菓子を作れるようになる(かもしれない)のも嬉しいところです。素朴な焼き菓子が多いので、がんばれば旅先で食べた想い出のお菓子を自分の手で再現できるかもしれません! 個人的にはタルト・トロペジェンヌのレシピが載っていたのが良かったです。

イタリアの地方菓子
 お次はお隣の国イタリアの地方菓子の本。フランスのお菓子に比べると大ざっぱな印象はありますが、美味しいものは天にも昇ってしまうような、驚異的な魅力にあふれています。ティラミスやパンナコッタのような、日本で一般的に知られているお菓子も、元を辿ればイタリアの一地方のお菓子なのですから、イタリア菓子に秘められたパワーを感じずにはいられません。
 この本はジャーナリストがイタリアの各地方を年月をかけて取材をしてまとめられています。レシピもありますが、読み物として非常に読みごたえがあります。イタリア全土にまだ知らない数多くのお菓子が散らばっていて、旅行をする機会があったらこの本で紹介されているお菓子を食べてきたいです。お菓子を買えるお店のアドレスも記してあるので、旅行ガイドとしても役に立ちそうな一冊です。

甘い香りの幸せデザート
 この本が、今回の3冊の中でも私のいちばん気に入りました。日本からバスク地方に嫁がれた著者の視点で、お菓子を通してバスク地方での生活を綴ったエッセイです。
 スペインとフランスにまたがるバスク地方は、文化の交流点でもあり、独自の風習が根づいている土地のように思われます。フランスに初めてチョコレートが伝えられたのもこの地方で、美味しそうでしかも濃ゆそうな、バスク地方ならではのチョコレート・レシピも紹介されています。
 お菓子のレシピや色とりどりの写真も素晴らしいのですが、農産物の恵みを受けて、土地に根づいて暮している著者の暮らしぶりが伝わってくるのがこの本から感じた一番の魅力です。
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